【淡路島・移住者紹介 #005】自分をケアしてあげる時間が大事。特に女の子は。おばちゃんも、おばあちゃんもね

2019年7月10日

INTERVIEW #005
大住さん(1983年生)/2016年3月、神戸市から淡路島に移住し、南あわじ市の地域おこし協力隊として3年間活躍。2019年5月から、ヨガとアロマのセルフケアサロン「陽だまり」をスタート。AWAJI BEACH YOGA主宰者

<追記>現在、大住さんはご結婚され、神戸に引越されています。ヨガとアロマのセルフケアサロン「陽だまり」も休止中です。

以下の文章は、記録として残しておきます。

淡路島に移住したキッカケ

大住さんは、3才まで淡路島に住んでいた。

「祖父が淡路島にいるので子供の頃から遊びにきていましたが、私にとって淡路島は特別な存在ではなく、憧れもありませんでした。それが4年前に祖父が体調を崩してから、頻繁にお見舞いにくるようになって。少しずつ淡路島に惹かれていったんです。ですから、移住のきっかけを作ってくれたのは祖父ですね」

しかし、実際に「淡路島に移住」を考えた時は、2ヶ月ほど悩んだそう。

「まず、淡路島に知り合いがいないので友達ができるか不安でした。そして、淡路島の雰囲気に馴染めるかどうか。さらには、ペーパードライバーだったので運転に自信がなく…。

細かいことまであげたらキリがありませんが、悩んでいる時期に南あわじ市で活躍されている2525ファームの迫田さんにお会いできたのはラッキーだったと思います。同世代の移住者がとってもイキイキしている姿は、まぎれもなく目の前にある現実で、私が悩んでいた色々は全部まだ想像でしかないなって。

そう前向きになってきたタイミングで、ちょうど地域おこし協力隊の募集を発見。もう、渡に船というか、運命なのかなと」

移住後、大住さんが想像していた不安は杞憂に終わることが殆どだった。

今では、「通勤電車に乗る日々には戻りたくないです」と、すっかり車移動バンザイ派になっている。

現在の仕事について

地域おこし協力隊の時に発足させたAWAJI BEACH YOGAを、大住さんは現在も主宰者として運営している。

AWAJI BEACH YOGAを主宰

今期3年目を迎えたAWAJI BEACH YOGAは、回数を重ねるごとに知名度がアップ。今ではファンも多く、AWAJI BEACH YOGAを目当てに来島する観光客もいるほどの人気がある。

しかし、大住さんはこのイベントで生計を立てているわけではない。

AWAJI BEACH YOGAは「少しでもヨガの裾野を広げたい」という思いで運営している。ほとんど、ボランティア活動に近い。

今時珍しいほど、大住さんは真っ直ぐな人だ。

話を聞いていて印象に残ったのは、言葉に嘘がないということ。

この誠実さが、彼女の周りに多くの人が慕って集まってくる理由なのだと感じた。

ここからは、大住さんの仕事としてのヨガについて。

なぜヨガの普及を行っているのか?今後どのような場面でヨガを提案していきたいのか?などの、お話を伺うことができた。

2019年5月、セルフケアサロン「陽だまり」をスタート

淡路島に移住する前は官公庁に約10年勤務。仕事は、秘書などの事務業務が中心だったそうだ。

「神戸にいた頃は自分の仕事が誰かの役に立っているのだろうか?と、いつもモヤモヤした気持ちを抱えていました。今は、私の目の前にいる人の助けになれている!という確かな実感がある。この人のために!と思うと、自然とモチベーションが上がりますし、やりがいも大きいです」

大住さんは2019年5月、セルフケアサロン「陽だまり」を開始。女性を専門にパーソナルレッスンを行っている。

「私自身、ヨガに救われたのが大きな理由ですが、女性は女性というだけで疲れています。女性はこうあるべき、女性だから○○できない、といった暗黙の制約が日本はまだ多い。2年間ハワイに留学して外を見てきた分、より遅れを感じてしまう面もありますが、日本の女性はもっと心身ともに解放されていいと思います。

でも、渦中にいる女性は気づけない。たとえ気づけたとしても、なかなか行動までには至れないんです。働いて、子育てして、ご飯を作って、掃除して、洗濯して…、必死にひとりで何役もこなすことが当たり前の文化だから。女性はいつも誰かのために忙しい。

「ちょっと休憩しませんか?」って、誰かが一声かけてあげないと。

毎日とは言いません。一週間に一回でもいい。女性には、自分自身をケアする時間をとって欲しいんです。

ヨガは、心身の癒しや調整を求める時、とても有効です」

どんな人でもヨガはできる

ヨガは恰好よくポーズをキメるもの。ヨガは身体が硬いとできない。と、勘違いしている人も多いのではないだろうか。

「ヨガには確かに様々なポーズがあります。ただ、ヨガは誰かに見てもらうために行うものではなく、ましてや誰かと比較するものでもありません。

新しいポーズができるようになれば、それは達成感として自分自身への贈り物。今までできていたポーズをとった時に何か違和感を感じれば、それは身体からの貴重なメッセージです。

ヨガは、自分の内面(心と身体)と向き合えるのが魅力。身体の硬い・柔らかいは本質ではありません。実際、横になっているだけのリストラティブヨガ(疲労回復ヨガ)というのもサロンでは取り入れています」。

大住さんのセルフケアサロン「陽だまり」では、ハタヨガ(初心者向け)、アロマリラックスヨガ、シニアヨガ、チェアヨガ(椅子ヨガ)、リストラティブヨガ(疲労回復ヨガ)など、様々な種類のヨガに対応。幅広い年齢層の方が安心して取り組めるレッスンが用意されている。

「レッスンでは決して無理なポーズを強いることはありません。むしろプロップスと呼ばれる専用補助具を使用してもらい、無理なく気持ちいいヨガを体験してもらうように心掛けています」

「陽だまり」は、ヨガレッスンのために作った空間。

清潔感のある白い壁と、無垢の床板。南向きにある大きな窓から光が入り込む部屋は、まさに陽だまりのよう。季節や天候に合わせて焚いてくれるアロマの香りも心地いい。

そして、この「陽だまり」の外にも、大住さんは活動の場を少しずつ広げようとしている。

施設などでの出張インストラクターも

チェアヨガ(椅子ヨガ)をレクチャーしている大住さん

まだ実績数は少ないが、福利厚生の一環として、定期的なヨガレッスンを取り入れる会社や地方自治体がある。こういった場での出張インストラクターも、大住さんの仕事のひとつだ。今後はこういった出張にも力を入れていきたいという。

「まだ実現はできていませんが、老人ホームや介護施設などでもヨガを教えられたら嬉しいです。そういった施設内にも、身体を動かしたいと望まれている方々がきっといるはず。今は理解を得られる施設を地道に探している最中。ひとつずつ成功事例を積み重ねて、淡路島に元気な高齢者を増やしていきたい」

農業が活発な淡路島では、働き者のおばあちゃんが多い。腰を曲げて歩く姿は、違和感なく目に映るありふれた日常風景だが、大住さんにとっては悲しいワンシーンなのだ。

「農村部でよく見かける、腰が曲がったおばあちゃん。見ているだけで悲しくなります。もっと自分を、自分の身体を大事にできたなら、ケア方法を知っていたら、こうはならなかっただろうな、とよく思うのです」。

おばちゃんになっても、おばあちゃんになっても、いつまでも元気でいてほしい。

そう願う気持ちは、誰もが同じなだけに、大住さんの活動を応援せずにはいられない。

ひょっとすると、ヨガは淡路島の日常風景を変えるかもしれないのだ。

大住さんの、淡路島のココがおすすめ!

【Neki 額縁と珈琲】

「Nekiの店主・加藤さんは移住者の先輩。よく相談に乗ってもらっています。移住したばかりの頃は、家にWiFiが無かったので、お店で仕事をさせてもらったりも。Nekiはとっても落ち着ける場所です」。

【Neki 額縁と珈琲 基本情報】

・兵庫県南あわじ市松帆古津路577-104-2F
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大住さん、お忙しい中、ご協力ありがとうございましたー。

当サイト「淡路島に移住してから」では、これからも淡路島の魅力を発信していきます。応援よろしくお願します🙌